【読み聞かせ童話】ぷぅぷぅ たいかい

【読み聞かせ童話】ぷぅぷぅ たいかい 読み聞かせ童話

作:重戸 零仁(じゅーど れいん)

ある 秋の 日、村の 動物たちは、みんなで おいもを 焼いていました。

「ああ、おいしいね!」

みんなで おいもを 食べていると、ライオンが いいました。 「ぼくは 力が いちばん 強いんだ!」

すると、チーターが いいました。 「ぼくのほうが 早く 走れるよ!」

モグラも じまんげに いいました。 「あなをほるなら、ぼくが いちばんさ!」

みんな、じぶんが いちばんだと いって、それぞれ とくい なことをいいだしたのです。

だんだんと こえが大きくなり けんかに なりそうです。

そのとき、ライオンが いいました。 「そうだ! おいもを 食べたから、ぷぅぷぅ たいかいを しよう! これなら こうへいだ!」

「だれがいちばんか、これでわかるだろう!」

みんな さんせいして、さな ネズミが しんぱんに なりました。

「それでは、ぷぅぷぅ たいかいを 始めます!」

まずは チーターからです。 「プスーーー!」 早すぎる! チーターの ぷぅは、あっという 間に でて おわりました。

「さすが チーターくん、ぷぅも 早いんだね!」と みんなは わらっています。

つぎは ライオンです。 「ブォォーン!」 力づよい 大きな 音! しんぱんの ネズミは、ぷぅの風で ころがって しまいました。 「わー、たいへんだ!」とおどろいて、みんなもわらいだしました。

みんなも ぷぅをだそうと たくさんの おいもを 食べて ちょうせんしようと じゅんびしています。

カバの ぷぅは、水の なかで プクプク。 キリンの ぷぅは、高い ところから プップップッとひびきます。 ウサギの ぷぅは、プ 小さくて かわいい 音。

そしてタヌキの 番になりました。おなかを 大きく 大きく ふくらませて、力いっぱい! にだそうとがんばっています。そしていよいよそのときです「プ…シュッ!」 とへんな音がでてしまいました。大きな音がなると 思っていたみんなは、大わらい。タヌキくんは かおを 赤くして わらっています。

つぎに クマが おもい あし音で 前に でてきました。 みんなは、「クマさんのぷぅは、ライオンより 大きいだろう!」と どきどきしています。 そのときです「プゥ」 ?あれ? とても小さくて まるい 音。まるで 小さな 小さな アリのぷぅみたい。みんなはその 音に びっくり!そしてキョトンとしてわらいだしたのでした。

大きな 動物も、小さな 動物も、それぞれ ちがう ぷぅで、いまのところだれが いちばんか きめられません。

「やっぱり それぞれ ぷぅもちがうんだね」と みんなが 気づきました。

そのとき、いちばん 後ろに いた ゾウが、おいもをたくさんたべおわり ゆっくりと 前に でてきました。 「それでは、わたしも やってみます」とひくいこえで言いました。

みんな どきどきしながら 待っています。

そして… 「ブブブブブブーン!!!!!!」 ゾウの ぷぅは、だいちを ドォンと ゆるがす すさまじい 大きな 音! あたりに 風が 大きく うずまきました。

しんぱんのネズミは まるで 大きな じしんにあったみたいに グラグラとゆれています。

あたりには きいろい 風がふき 木が ゆれ、葉っぱが まいあがり、動物たちは びっくり!

「わあああ!」 「にげろー!」 みんな はおどろいていちもくさんに にげて いって しまいました。

大きな ぷぅをしたゾウも じぶんのおならにびっくりしているようです。

しばらくして みんなが もどってくると おたがいに かおをみて 大わらいです。 わらいながら けっきょく、だれが いちばんか きまらないまま、ぷぅぷぅ たいかいは おわったのでした。

でも、おいしいおいもを 食べてわらいながらすごしたので、動物たちはみんなとても たのしい 日に なったのでした。

おしまい

© 2025 重戸 零仁. 本作品の著作権は作者である重戸 零仁に帰属します。 個人的な利用(読み聞かせ、シェアなど)の範囲を超えた、商用利用および無断転載・複製を固く禁じます。

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